大阪高等裁判所 昭和56年(ネ)1257号 判決 1981年9月24日
三輝プラスト工業所こと
控訴人(反訴原告)
佐藤武幸
右訴訟代理人
岡利夫
被控訴人(反訴被告)
八野ユキエ
右訴訟代理人
山崎忠志
主文
一、本件控訴を棄却する。
二、本件反訴請求を却下する。
三、控訴費用及び反訴費用は控訴人(反訴原告)の負担とする。
事実《省略》
理由
(昭和五六年(ネ)第七五六号事件)《省略》(昭和五六年(ネ)第一二五七号事件)
一当庁昭和五六年(ネ)第七五六号建物明渡等本訴、求償金等反訴請求控訴事件の控訴人が、昭和五六年六月一五日、同控訴事件の反訴として、同控訴事件の被控訴人を相手取つて当庁に反訴(当庁昭和五六年(ネ)第一二五七号損害金請求反訴事件)を提起し、両事件が当裁判所に係属したところ、控訴審である当庁における右反訴提起につき相手方の同意が得られなかつたことは、記録上明らかである。
二反訴は、本訴と併合審判を受けるための訴えであるから、控訴審における反訴の提起につき、相手方の同意が得られない場合には、これを独立の訴えとして第一審裁判所へ移送すべきものではなく、むしろ不適法として却下すべきものというべきである。
(結論)
以上のとおりであるから、被控訴人の控訴人に対する請求は賃料相当損害金三四〇万円の支払を求める限度で理由があるからその限度でこれを認容し、その余は失当として棄却すべきである。そうすると、これと同旨の原判決は相当であつて、控訴人の本件控訴は失当であるからこれを棄却することとし、次いで控訴人(反訴原告)の当審における反訴提起は不適法であるからこれを却下することとし、訴訟費用の負担につき民訴法九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。
(朝田孝 岨野悌介 渡邊雅文)